移住・現地見学ツアー

2001.3.31

 

 

タイ

移住のための基礎知識

 

小林株式会社

 

 

目次

1.タイの生活について

(1)場所の選定

(2)気候

(3)物価と生活費

(4)日本人の数と暮らしぶり

(5)ビザについて

(6)病気と病院

(7)余暇の過ごし方

(8)言葉について

2.駐在員のための住宅事情

3.住居について

  1. 不動産の現状と価格

  1. 不動産の特色
  2. 外国人の不動産購入
  3. 不動産の価格

  1. 住居の選定

  1. 場所
  2. 家賃
  3. その他のリクエスト

4.生活費による暮らしの内容

  1.  5万バーツの場合
  2. 10万バーツの場合
  3. 15万バーツの場合

5.資料 タイで暮らす

 

 

 

  1. タイの生活について

  1. 場所の選定

タイに移住する場合、どこに住むか、これが大きな問題です。以下の通り比較してみました。このマニュアルではバンコクに住むことを想定して書きます。

 

バンコク

チェンマイ

パタヤ

プーケット

ロケーション(アクセス)

物価

普通

安い

普通

高い

日本食堂

テレビ(NHK)

空気

総合評価 (5段階)

コメント

  1. バンコクは日本からのアクセス、日本品の豊富な品揃え等の理由でお勧めします。
  2. チェンマイは空気、気候が良く、バンコクより住みやすいです。

B パタヤ、プーケットはリゾート地なので、短期滞在にお勧めします。

  1. 気候
  2. タイは暑い国ですが、寒暖の差が日本より少ないため、高齢者にとっては過ごしやすいと言えます。

    暑い、と言っても昼間はエアコンをつける必要もなく、日本の真夏のような暑さではありません。湿気が少なく快適な風が吹いているからです。

    1年中暑いところと思われていますが、3つの季節に分けられます。

    雨季6月から10月までで、雨が降るものの、そのお陰で涼しい季節です。

    乾季11月から2月は涼しく、1年のうちで最も過ごしやすい季節です。この季節は旅行シーズンに最適です。

    夏季3月から5月は酷暑が続く毎日です。この季節は10分も歩くと汗が出てシャツが汗ばんでしまいます。

  3. 物価と生活費
  4. タイの物価は日本に比べてどの程度でしょうか。

    日本の高額紙幣の1万円とタイの千バーツを比較すると3分の1なので、

    物価は平均日本の3分の1とする見方が多いです。

    この見方は一般論であって、個々の物価によって異なります。

    具体的には車、電気製品などは日本とほぼ同じか割高ですが、食料品やサービス料(例:床屋)は日本の10分の1です。

    このような物価の中で日本人はどのレベルで生活するかが問題です。

    日本人として快適な生活をするにはそれなりの生活費がかかります。

    別項に生活費による暮らしの内容を書いてみました。

  5. 日本人の数と暮らしぶり

タイには日本人が4〜5万人位住んでいると言われています。この数は他外国において多い方です。それは日本人にとって住みやすいからということができます。戦争前から日本人は多く住んでいましたし、現在そして将来も増え続けると思います。日本の会社がタイに進出していることも、住みやすい理由のひとつでしょう。日本人は次のカテゴリーに分けられ、それぞれの暮らし方をしています。

  1. 駐在員
  2.   会社の命を受け、赴任して来た人達で1〜5年で帰国してしまう人

  3. 非移民(ノンイミグラント)
  4.   自分の意志でタイに来て、日系企業やローカル企業に就職し、仕事をして  

      いる人、または経営している人

  5. 移民(イミグラント)

  生まれてからタイに住んでいる人、もしくは、タイ人と結婚して、帰化し 

  た人等

これらの人達は、自分の生活に合った暮らしをしており、他人と比較することなく、人生をエンジョイしているのです。

  1. ビザについて
  2. タイに入国する際ビザが必要ですが、その種類は以下の通りです。

    ビザの種類

    目的

    滞在可能期間

    滞在延長

    ノー・ビザ

    観光

    30日間

    不可

    ツーリスト・ビザ

    観光

    60日間

    30日間

    ノン・イミグラント

    ビジネス・留学

    90日間

    不可

    イミグラント

    移住

    永住

    5年間

    上記が一般的なビザです。これ以外に年金ビザ、富裕ビザ、就学ビザ(いずれも1年)などあります。

    日本人は比較的容易にビザを取得することができます。この問題で困ることはあまりありません。

  3. 病気と病院
  4. 病気になった場合、日本語の話せる病院がありますので、心配はありません。日本語の話せる医者がいない場合、通訳を連れて行けば大丈夫です。海外旅行傷害保険で支払い可能な病院も数多くあります。

    「病気やケガへの対処は」の項参照下さい。

  5. 余暇の過ごし方
  6. タイで過ごすメリットとしては、日本のように周囲の人々に気を使うことなく、自由に何でも行うことができます。「世間体」などという言葉はないのです。

    趣味に時間をあてるのも良し、ボーっとしていても良し、日本のように時間に追われることはありません。

    食事は自炊することなく、外から買ってきて家で食べることも可能です。

    掃除、洗濯にしてもメイドを安い賃金で雇うことができます。

    日本のNHKが見られるので日本にいるときと同じような気分になれます。

  7. 言葉について

もちろんタイ語しか通じません。

英語が通じるのはホテルなどの一部に限られます。言葉が通じなくても、そんなに不自由ではありません。言葉が通じると楽しさが何倍にも増すことは間違いありません。

タイ語は難しいなどと思われずに、少しずつ勉強すれば上達します。タイ人とは心が通じ合えれば言葉は二の次なのです。

 

 

2.駐在員のための住宅事情

(1) 過去の住宅事情

 駐在員が多く住む、スクムビット地区は、10年ほど前から新築アパート・マンションのオープンラッシュにより、供給過剰が続いてきました。一時は年間2030件もの新築アパート・マンションのオープンがあったものの、現在では年間12件しかオープンがありません。

 一方、家賃について当社の調べでは、一昨年は値下り傾向でしたが、昨年から今年にかけて約6〜8%の値上りをしてきています。

 

(2)現状

 昨年まで借り手市場でしたが、今年に入り、貸し手市場に変わりつつあります。

 良い物件とは次の要因の総合評価のことです。・部屋がきれい、・家賃が安い、・ロケーションが良い、・眺望が良い、・風通しが良い等々。良い物件は少しずつ値上り傾向にあります。特に、BTS(スカイトレーン)の開通に

より、その駅に近いところに人気がでてきています。

 最近の特徴としては、新築物件がきわめて少ないため、既存の物件の中でメンテナンスが良く、きれいな物件に人気が集中してきています。そして、コンドミニアム(分譲マンション)での退去時のトラブルが発生してきています。つまり、退去時に多額の修理代を請求されたり、デポジットをなかなか返却してくれない等々です。

 

(3)今年から来年にかけての動向

 駐在員が少しずつ戻って来ており、それに伴い、家賃は上昇傾向にあります。

高級物件ほど人気があり、具体的には、7万バーツ以上の家賃の物件を探すことはむずかしくなってきています。これらの物件は、空室になる前に後任者やその友人によって予約が入るからです。6万バーツ以下の家賃の物件は容易に探せます。しかし、4万バーツの家賃の物件になると条件が悪くなります。いずれにせよ、良い物件は約5%の値上りを予想します。

 

(4)住宅の分類

 ここでは住宅の種類とその長短について述べてみましょう。

アパート・マンション

 家族帯同の場合、99%はアパート・コンドミニアムをリクエストします。(当地ではアパート・マンション・コンドミニアムも名前が違うだけで内容は全く同じ。ただし、コンドミニアムは分譲マンション、つまり部屋ごとにオーナーが異なるためサービス面でやや劣る)。 2030世帯の小規模から200世帯をこす大規模のマンションまであり、大型化してきています。

サービス・アパートメント

 サービス・アパートメントとは、ホテルとアパートの中間の働きをする住居です。つまり、掃除・洗濯(別料金の所が多い)付きで、ホテルに設置されていない電熱器、食器など台所設備が備わっている施設です。予算は3万バーツから8万バーツまでで、グレード、部屋の広さによって異なっています。広さも30100u位です。単身者に非常に人気があります(諸経費が家賃の中に含

まれているというメリットあり)。

タウンハウスおよびその他

 間口が45m、奥行きが820mで、高さが23階建てで棟が並んでいる住居はタウンハウスといいます。土地付きでかつ車庫付きなために、タイ人に人気があります。しかし、セキュリティーや風通しが悪い、暗いなどの短所があります(駐在員には不向き)。また、タイ人の単身が住んでいるアパートの多くは、2030uのワンルーム・マンション・タイプです。お湯は出ますが、バスタブは無く、安いアパートを探している人にお勧めです(月5,0006,000バーツより)。

 

(5) 住宅の場所

 日本人駐在員は、スクムビット地区に住むことが暗黙の了解となっています。理由については次のことがあげられます。

. 子どもの学校のスクールバスが便利(学校はsoi21-soi63までのエリアに住むよう勧めています)。

. 他の地区に住むと買い物や奥さん同士の連絡が不便(但し、BTSが開通し、日本の食料品などもだんだんスクムビット地区以外でも買えるようになってきています)。

. 会社に行く場合(ゴルフへ行く場合も)同僚と相乗りができ、配車の手配が楽にできること。

 

(6)家賃の相場と住宅の広さ

 スクムビット地区で平均的家族の家賃は、4万バーツから8万バーツ(3ベッドルーム)で、部屋の広さ、ロケーション、築年数または部屋のグレードによって異なっています。広さは、単身で60100u、夫妻(二人)で140180u(2ベット)、家族(子ども二人)で200250u(3ベット)が平均的広さです(ベランダも面積に加える習慣です)。なお、築年数より部屋のグレードやロケーションの方が重視されます。

 

 

  1. 住居について

(1)不動産の現状と価格

イ. 不動産の特色

タイの不動産(土地・建物)は固定資産税が安いということが日本との大きな違いです。いわゆる富裕税がないということは、不動産を所有している人はますます豊かになることを意味します。

  1. 外国人の不動産の購入

外国人は不動産を購入することはできません。正確に言うなら購入は可能ですが登記できません。ただし、コンドミニアム(分譲マンション)は全体の40%以内に限り購入、登記できます。

  1. 不動産の価格

外国人が多く住んでいるスクムビット地区のコンドミニアムは1u当り4万バーツが相場です。100uの物件なら400万バーツということになります。

これら外国人が住む地区以外では価格が半分くらいになります。

 

(2)住居の選定

定住する場合、以下のポイントにより選定してみましょう。

  1. 場所

どこに住むか?日本人が住んでいるスクムビット地区は、日本品の揃っているフジスーパーや、日本食堂が多くあり便利です。ただし、日本人が多く住んでいる地域が嫌いな人はBTS(スカイトレイン)駅近くの物件をお勧めします。

ロ. 家賃

駐在員は2〜3ベッドルーム(平均200〜240u)で4〜7万バーツの家賃の物件に住んでいます。

定住者の場合2〜4万バーツ(2ベッド)の家賃をお勧めします。この家賃では物件が少ないですがなんとか探すことができます。

(生活費の30%位を住居費に当てるのが相場)

  1. その他のリクエスト

タイ語学校に近い所、勤務地に近い所、公園に近い所などのリクエストを総合して住居を選定することになります。

 

 

4.生活費による暮らしの内容

 (1バーツ約3円)バーツ

全生活費

5万

10万

15万

家賃

1.0

ワンルーム

40u)

2.5

1ベッドルーム(80u)

3.5

2ベッドルーム

150u)

食費

1.0

1.5

2.0

交通

バス、BTS

バス、タクシー、BTS

タクシー、BTS、

自家用車(運転手付)

電気代

1,000

2,000

3,000

コメント(生活度)

やや苦しい

まあまあ

ぜいたく

(夫婦の場合)