1.はじめに
通常デポジットはアパート退居後2ヶ月以内に返却されます。
たまたまそのデポジット(2ヶ月分)が正当な理由なく返済しない部屋のオーナー(貸主)に出会いました。そこで、当社は借主の立場にたって返却するよう貸主に対してお願いをしてきました。
今回、再三のお願いにもかかわらず、デポジットを返却しないので、ソーコーポー(消費者苦情委員会)に代理申立てし、デポジットを返却させた、という事実経過を紹介します。
2.事実経過
AさんはBコンドミニアムを退居後、2ヶ月が過ぎてもデポジットを受取っていませんでした。その間、当社も返却するよう貸主にお願いしてきました。当社から、借主と貸主の間での話し合いの場を設けるよう何度もお願いしてきましたが無視し続けました。
そこで借主と相談して、当社がソーコーポー(消費者苦情委員会)に代理申立てすることになり、委任状を得て申請しました。申立て後、約1ヶ月後に担当官の立会いの基、双方の話し合いが行われ、結果的にデポジット返却を認めさせました。
3.教訓
(1) たまたま当社のお客さんで、アパート退去後のフォローを行っているのでデポジットが返却されましたが、通常は泣き寝入りするケースが殆どです。よって、フォロー体制のある不動産屋を選ぶべきです。
(2) 返却しない理由が、「退去前に部屋を見せない」ということでした(それは事前の連絡もなく突然です)。しかし、それに対し担当官は「その理由とデポジット返却は関係ない」ということで、一蹴しました。正当でない理由をもって返却しない場合、断固として主張する考えが大切でしょう。
〈参考〉
ソーコーポー(消費者苦情委員会)の紹介
1.法的根拠
「仏暦2532(西暦1989年)消費者保護法」に基づき、この委員会が設立された。
2.同法に基づく国民の権利
(1) 知る権利
(2) 選ぶ権利
(3) 商品の安全を得る権利
(4) 訴える権利
(5) 補償を受ける権利
3.組織
首相府の管轄
4.職員
正規職員 50名
非常勤職員 200名
その他 全国に 7,000名
5.訴えの種類
(1) 訴訟・・・当事者が5名以上の時
(2) 調停・・・当事者が4名以内の時
6.当日の話し合い
(1) 訴え側が調停官に説明
(2) 訴えられた側が調停官に説明
(3) 双方と調停官により調停合意に向け話し合う
7.調停が合意に至らない時
再度の話し合い、又は調停不合意として記録され、次のステップとして裁判所にて場を移すことになる。
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