(1)暑さにどう対処するか
@ 暑さも社会現象のひとつだと思って
タイは熱帯にありますから、1年中日本の真夏のような気候で、暑さとの戦いが続きます。そのため1年中エアコンが必要です。(12月、1月は多少涼しいのでエアコンが不要のときもありますが。)
日中に出歩くと、すぐ汗で体はベトベトになってしまいます。ですから出歩くのがおっくうになって家に閉じこもりがちになります。そのため、タイでは家にエアコンが付いているか、エアコンの付いた車を持っているかで階層までわかってしまいます。
こうした暑いところに住んでいるせいか、タイの人は早く老けるようです。タイ人の60歳は日本の70歳に見えるほど老けているように見えます。新陳代謝が早く、それだけ身体を消耗するので老齢化するのが早くなるのかもしれません。
こうした直射日光の激しいところでは、肌を直接日に当て続けるのは、ある意味では大変危険です。発汗によって脱水症状も起こすでしょうし、熱射病にもなりかねません。ですから、家の外で長い時間を過ごすときは、そうした注意は欠かせません。現にタイの人は、暑くても皮膚を直接日光に当てるようなことはしません。
たとえゴルフ場のようなところに行っても、プレイ中は長袖のシャツに長ズボンです。外気に長くさらされる場合は、どうしてもこの恰好をする必要があるのです。暑いということが生命とりになるような世界なのです。日本での常識が全く通用しない例のひとつです。
もちろん、それなりの社会ではきちんとスーツを着用しますが、一般的には、洗濯さえすれば、年中同じようなシャツ、同じようなズボンで過ごせる世界です。
ただ、暑いせいで、服装は1年中同じような恰好です。俗にいう"着たきりスズメ"が通用するわけです。
それに、物がすぐ腐ってしまいますから、痛快に暑いなどとノンキなことは言いにくいのですが、暑さだけはふんだんにあって、それにからむ話だけで1冊の本ができあがるのではないかといわれるほどです。(2001.6.30)
(2)タイに住んでのお付き合いは
@
お隣さんにはご挨拶
アパートに引っ越してきたときは、お隣や正面の家程度は挨拶します。これは手ぶらでも大丈夫のようです。日本のように向こう三軒両隣などというようなことはあまり行われていないようです。
そういう意味では、先祖伝来の場所に住み付くわけではないので、やはり外地という気安さがあるのかもしれません。あまり隣近所に気を使わなくとも済みそうです。
しかし、だんだん慣れてくると、やはり日本人同士かたまって住んでいますから、知り合いも、気の合う人も増えてきて、いろいろな付き合いが始まるようです。たとえば、子供が同じ学年だとか、新婚ホヤホヤ
だとか、子供が独立してしまって夫婦だけだとか、いろいろなことで知り合って、話の弾む仲になっていく そうです。
もちろん、タイ語ができなければタイの人たちとペチャペチャやるなどというのは不可能ですから。
ただ気をつけた方がいいのは、これはタイの人に対しては特にそうですが、あまり物をあげたりしないことです。これも度が過ぎると、互いに重荷になってくるのです。
A
メイドさんはスピーカー
奥さんが隣の家のことをよく知らなくても、メイドさんは不思議によく知っています。メイドさん同士の情報はそれこそ矢のように早く、電光石火で伝わっていきます。
お隣のご主人が昨夜遅くなって、多少もめ事があったなどというのは、翌日の昼には周囲の全てのメイドさんが知っていると思っても間違いありません。例えば、性格の悪い奥さんなどという評判を立てられると、
直ちにマンション中に知れ渡ってしまいます。
"たかがメイド、されどメイド"ということで、家族以外が交わる生活では、上手に付き合っていきたいものです。。
B タイ人とのお付き合い
一家の主人ともなれば、タイに職場がありますから、自然とタイ人との付き合いもできてくるでしょうが、奥さん達はそういった機会があまりありません。
言ってみれば、@メイドさん、A運転手、Bタイ語学校の先生や職員、Cマンションの管理人、Dご主人の会社の社員達、という程度でしょうか。しかし、せっかくタイ国に来て何年かを過ごすのですから、積極的
に機会を作って、タイ人と付き合ってみてはいかがでしょうか。
世界の田舎者と一時は言われた日本人ですが、次第にそうでもなくなっています。異なった文化・社会・ 風習の中に生きる人たちと付き合って、彼らを理解していく事はきっとプラスになるでしょう。
これは、ほんの数年の滞在にしろ、世界を知るという意味では良い経験になると思います。
そのためには、やはり多少のタイ語ができなければなりません。英語だけでは、相手がやはり限られてしまいます。その為にも、学校に通うなりして勉強し、初歩のタイ語の会話ができるようにならなければなりません。会話が多少でもできるようになれば、ボランティア・グループや趣味のグループなどに参加していけばいいのではないでしょうか。
ただし、タイの社会には、中間層とかミドル・クラスという階層はありません。一部の大金持ちクラスは、
日本人の会社員クラスなどは相手にしてくれません。このクラスは、俗に言う王侯貴族のような生活をしていますから無理もありません。
では下のクラスは、というと、これはメイドがいて高級マンションに住んでいる人は敬遠してなかなか近づいてはくれません。ひどく極端な構造の社会なのです。そう考えると、普通のタイ人の生活に溶け込むのはなかなか難しいことにも思えます。
しかし、めげてしまっては、われわれ日本人はただのパッセンジャーになってしまいます。(2001.6.30)
(3)家具や電気製品をどう選ぶか
@
ほとんどが家具付き住居
バンコクあたりのアパートやマンションは、原則としてフル・ファニッシュ(家具付き)です。ですから
原則として家具を購入したり用意したりする必要はありません。
ほとんどの部屋に備え付けられているのは次のようなものです。
ソファー、ベッド、食卓(テーブル)、ガス(または電気)オーブン、冷蔵庫、洋服ダンス(クローゼット)、カーテン
なお、ソファーの色やカーテンの色などが気に入らない時は、ダメモトで交渉してみると交換してくれることがあります。
この様に生活する上で主要なものは大抵揃っていますから、あとは次のようなものを購入するか用意することになります。
テレビ、ビデオ、洗濯機 (注:これらの備品は備わっているところもあります。)
テレビは、衛星放送が受信可能かどうかによって色々なタイプのものがありますが、日本の製品が売られていますから、その選択は日本にいる場合と変わりありません。当地に来てから、好みと条件に合わせて機種を決めることをお勧めします。なお、現在では、日本のNHK放送を見ることができます。
A 日本から持っていくもの
日本の利便性、機能性の高いものは、まずタイにはありませんので、タイに来る際に用意したほうがいいでしょう。
例えば、子供用の机や椅子、文房具類、衣類などがそうですが、他にもパソコンなどやテレビゲーム、 ファミコン、ゲームソフトなども充分用意してきた方がいいと思います。
その他にも入手が困難だったりめんどうなものもあります。できるだけ持って来ることをお勧めします。
(2001.6.30)
(4)電気器具などが故障したときは
@ エアコンが故障したとき
タイで生活するうえで、一番多く故障し苦情がでるのはやはりエアコンです。動かない、冷えない、などが理由です。それでも、きちんとしたアパートやマンションには営繕担当の技術者が常駐しており、すぐ原因究明
にかかってくれます。
しかし、原因不明となると外部の専門家を呼ばなければなりません。これも、それほど時間をおかずに来てはくれます。しかし、そこから、日本人が多少いらいらする話が始まるのです。
苦情の多くが、「技術の人が見に来て多少の説明をしてくれて原因は解ったのだが、何もしないで帰って
しまった」という形をとります。何故そうなるのかと言えば、故障や原因が解ることと、修理することとが全然結び付いていないからです。技術の担当者は機械の故障を発見しても、オーナーまたはその代行者の指示がない限り、けっして修理はしません。命令が出ない限り絶対に余計なことはしないのです。
日本人駐在員の血圧は上がり、イライラは限界に達します。
そのためにも、最初から特別の指示を用意しておかなければなりません。普段から、故障の場合の連絡方法を取り決めておかなければなりません。そのアパートを紹介したのが日系の不動産屋であれば、頼んでおけば代行してフォローしてくれる場合もあります。
いずれにしても、多少のゴタゴタがあっても技術的にどうのという問題はあまりないようですから、 キチンと直ります。ただし、特別の修理や他のことまで含めて頼んだ場合は多少のチップを渡すのがタイ式の礼儀のようです。額については、先住者に聞いてほどほどというのが良いでしょう。
その他の故障としては、風呂の湯が出ない、電球が切れた、エアコンの音がうるさいなどはよく聞きます
が、こうしたことも事前に話がついていればすぐ修理してくれます。致命的なのは、日本から持ってきた 電気器具をそのままタイのコンセントにつないだ場合です。220Vの高電圧ですから、これは一瞬にして万事休す、となります。これは要注意です。
(5)水、電気、ガス、風呂
@
水(水道)などの利用は
日常生活で気になることの最初は"水"です。水(水道)は蛇口をひねれば出てくるという意味では日本と変わりはありません。また断水するということもまずありません。しかし、水道水は煮沸しなければ飲めません。
そのまま飲むのは危険ですから、飲料用の水はミネラル・ウォーターか飲用水(ポラリス)を買うことになります。
A 電気の状況
電気は、水と同様困ることはありません。停電は、スクムビットという高級住宅地にいる限りはまず起きません。
B ガスの利用
日本のような都市ガスはありません。もっぱらタンク容器に入れたプロパンガスを使用しています。
ただ新しくできたマンションには、ガスコンロはなく電気コンロのところが増えてきました。
これも慣れて しまえば不便は感じないのでしょうが、電気コンロはガスコンロより火力が弱いため、おいしく料理を したい時には物足りなく感じることがあります。
日本人の中にはガスコンロにこだわる人も少なくありません。
C 風呂をわかすには
かつてはガスを燃焼させてわかす方式でしたが、現在ではマンションの風呂は全て電気ヒーター、つまり
瞬間湯沸し式による温水風呂になりました。そのため、湯をはるのに15分〜20分ほどかかりますが、 不便ということはありません。シャワーやお風呂に入る頻度はタイの暑さ、汗をかく湿度の違いから日本より増えるかもしれません。
生活自体は、日本より快適な部屋に住み、物に不自由することもありませんが、この暑さだけは、熱帯圏に住んでいるということを実感させられます。
シャワーは、12月や1月を除いて温水を使わず、水でも不自由は感じませんが、頭からこれを
かぶったときの爽快さは格別なものがあります。ただ、マンションであればどの部屋にも温水の設備がついています。
(2001.6.30)
(6)毎日のごみの処理と収集は
@ ごみの収集の様子
バンコクの市内を歩いていると、街角に「乾いたゴミ」「濡れたゴミ」と書いたゴミ箱が2つ並んでいる
のが目に付きます。ところが、ゴミ収集車がやってきて集めているところを見ると、2つのゴミ箱を一緒 にして放り込んで持っていってしまいます。何のために2つも箱を置いているんだ、
と我々日本人は奇異に感じますが、こうした妙なやり方が平気でまかり通っているのがタイのやり方なん だなと、これまた妙なところで異国文化を感じさせてくれます。
A 毎日のゴミの出し方
アパートに住んでいると、毎日メイドさんが家庭以内のゴミを集めてゴミの集積所に持って行ってくれ
ます。あまり気にしない奥さんがたまに自分で持って行ったりすると、タイ人には「変わった人」「変な人」 という目で見られます。
タイでは、金持ちと言われている人は貧乏人の仕事をとってはいけないのです。そこで、メイドさんの代わりをすれば、「何だあいつは・・・」とこうなるわけです。
これがタイ社会のマナーなのです。 ただアパートによっては集合ダクトが設置されていますから、 これが完備していれば、奥さんと言われる人でも堂々とゴミを捨てることができます。
普通のゴミやプラスチックなどはお金にならないのでどんどん捨てられますが、その他の粗大ゴミ、家具や電気製品などは収集者がくる前にほとんどなくなってしまいます。
古物や再生すれば価値のある物はすべてそうなります。当然新聞や古雑誌も専門の人がいるらしく、すぐなくなってしまいます。
古紙の価値があるわけで、そういう意味ではリサイクルが完全になされたよい社会なのだと誉めるべきなのかもしれません。(2001.6.30)
(7)タイの交通機関は
@ バンコクの交通機関
バンコクでは、バスが公共交通機関の中心になっています。バスは後にも説明しますが、長距離・中距離・
近距離といろいろな路線を走っています。
バス以外にジーゼルの機関車を使った列車、船(フェリー)がありますが、これは約1割程度にしか過ぎません。
交通機関とはいえませんが、交通の中心を占めるもののひとつが自家用車です。これはバスに次いで バンコク市民の足になっています。いもかけず自動車社会なのです。ちなみに自家用車の主流は乗用車
(セダン)とピックアップ(商用車)ですが、郊外や地方へでるとピックアップ車が主流になっています。
駐在員が自宅から職場へ通勤する場合は、ほとんどドライバーつきの専用の車を使っているようです。
一般的にバンコクの運転手は非常に荒っぽい運転をする人が多く、交通ルールを守らずマナーも悪いと有名です。そのため、できるだけ専用のドライバーに任せた方が良いということになっているのです。
急ぎではない場合は、乗合のマイクロバス(大体25〜30人乗り)やエアコンバスがありますから、上手に利用すると大変便利なものです。
急ぐ人はタクシーの利用をお勧めします。現在タクシーはほぼメーター制に替わりフェアな料金体系になり、従来のわずらわしい料金の交渉や不法に高い料金を請求されるようなことは少なくなりました。
このようにタイでは、地位や目的地、時間帯などに合わせて乗り物を選べるようになり大変便利になってきました。
次に、バンコクでのそれぞれの乗り物について紹介します。
A 利用できるいろいろな交通機関
バンコクの交通機関は、大体次のようになっています。
BTS(スカイトレイン) |
スクムビット通りを突き抜けるように走っており、便利になりました。料金は距離により10〜40
バーツと異なります。 |
バス |
バスにもグレードがあり、それぞれ料金が異なっています。マイクロバス(25〜30人乗り)は
料金30バーツ、立ち席乗車はできません。
運転手つき乗用車で通勤する以外、このバスに乗って通勤することがステイタスだと言われています。
他にエアコンバス(5〜15バーツ)とノーエアコンバスの2種類があります。 |
乗用車(マイカー) |
車の種類は、ベンツからカローラまで世界中のメーカーの車が勢揃いしています。自分で運転していても
運転手付きの車にゆったり乗っていても、マイカーのある人はやはりリッチな階級です。バンコクでは、 子供の通学のためにマイカーを利用しますから、これが交通渋滞の原因のひとつにあげられたりしています。
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タクシー、ハイヤー |
これは先にも説明したようにタクシーは全部メーター制ですから、気軽に利用できるようになりました。 |
トゥクトゥク(サムロー) |
トゥクトゥクはタイ独特の乗り物です。日本にも昔ミゼットというダイハツが作った三輪車がありましたが、
それを改造したような車です。これに客を乗せて軽快?に走るわけです。
サムローとは、このトゥクトゥクを含めた三輪の車を総称した場合に使います。 |
ピックアップの改造車(ソンテオ) |
これも日本では見られない乗り物です。タイではこのピックアップ・トラックを改造して、乗合自動車
として使っているのです。
それでも10〜15人の乗客を乗せて、バス路線のない道路、不便な場所などを軽々と走っています。
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バイク |
バイクは、荷台に人を乗せて、車や三輪車が走れないところ、狭いところで大いに活躍しています。
渋滞したときなどは車のワキを次々に追い越して走り、たいした時間もかからず目的地に到着してくれます から大変便利な乗り物です。バンコクの知事も大渋滞のときなどしばしばバイクを利用して移動していたと
いうくらいですから、非常の時などいかに役に立つか解ろうというものです。 |
船、フェリー |
河や運河では、フェリーが大勢の通勤客や通学客を運んでいます。バスや車などのような渋滞があり
ませんから、ちゃんと時間どおりに運行するという強みがあります。 |
汽車(ジーゼル列車)
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市内を走っていますが、本数も路線も少ないためあまり利用者はいないようです。
(2001.6.30) |
1. 引ったくりに注意
先週、スクムビット通りソイ49で、タイ人の女性が引ったくりに遭うのを目撃しました。 オートバイで後ろから近づきハンドバッグをつかみとり、走り去りました。
かばんを道路側に提げないで、しっかりと身につけて歩きましょう。
2.
タイ移住のための基礎知識
SILVER PLAN が日本で話題になっていますが、当社はこのほどタイ版 SILVER PLAN の説明書を作成 しました。現在校正中ですが、希望者に対して、特別送付(E-MAIL)します。
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