17.就業規則と社会保障

“小林褐f示板” 過去の質問&回答「雇用」へ 
“小林褐f示板” 過去の質問&回答「保険」へ 


社会保険料について
2011.2.11

 社会保険局によると、従業員の給料の5%(上限750バーツ)を雇用者(使用者と呼ぶ場合がある)及び従業員(非使用者と呼ぶ場合がある)共に社会保険料として、払わなければならない。(合計10%になる。)

 雇用者は、給料支払い時に、従業員の給料から5%を差引いて支払うことになる。(源泉徴収)申告時は、従業員の給料から5%を差引いた額と雇用者が支払う分5%を合わせた金額を社会保険局に払う。
 以下、社会保険料の金額計算方法です。

1.給料18,000バーツ場合

 

支払い率(上限750バーツ)

 

社員が給料から毎月引かれる金額

5%

750

会社が従業員のために払う社会保険料

5%

750

 合計(従業員1)

 

1,500

2.給料10,000バーツ場合

 

支払い率(上限750バーツ)

 

社員が給料から毎月引かれる金額

5%

500

会社が従業員のために払う社会保険料

5%

500

 合計(従業員2)

 

1,000

3.給料7,000バーツ場合

 

支払い率(上限750バーツ)

 

社員が給料から毎月引かれる金額

5%

350

会社が従業員のために払う社会保険料

5%

350

 合計(従業員3)

 

700

4.給料6,200バーツ場合

 

支払い率(上限750バーツ)

 

社員が給料から毎月引かれる金額

5%

310

会社が従業員のために払う社会保険料

5%

310

 合計(従業員4)

 

620

※ 会社が申告する従業員分の社会保険料は1,500+1,000+700+620の3,820バーツ。
※ 申告する際は、上記の従業員分の社会保険料に雇用者分の社会保険料
  (通常上限の750バーツとなる)を合わせた4,570バーツになる。

 社会保険申告の書類は、会社が申告する金額(計10%分)をまとめた1枚目と、会社各従業員の仕分けした2枚目があります。社会保険申告は、翌月28日までとなります。通常、ポーゴードー1や他の税金と同時に支払うことが多いです。



社会保険料の値下げについて
2009.7.17

  
  7月14日付 社会zz保険事務所告示によると、7月分の社会保険料から
  現在の10%(労使5%ずつの折半)から6%(労使3%ずつの折半)に値下げになります。

  理由は書かれていません。期間は今年12月までの6ヶ月間です。

  支払いすぎないよう会計担当者に周知徹底するようお勧めします。

  (なお、タイ語原文は以下の通りです。)

  (参考:社会保険料の説明は下段にあります)

 



育児休業法の成立と当社の対応
2009.7.14

  今国会で「育児・介護休業法」の改正案が可決、成立しました。
 主な内容は、3才までの子を養育する労働者に対して、短時間勤務を認めるというものです。
 詳しい内容はホームページにあります。
  一方、当社では3年前からすでにこの制度と同様の内容を行っています。
 つまり、女子社員で子供が生まれた場合、3才までは朝、夕方の各1時間ずつの
 勤務短縮を認めています。
 さらに土曜日も勤務を免除しています。(通常は半日勤務)

  タイでは女性が仕事の中で重要な役割を担っており、それが欠けると支障が出ます。
 女性の中には出産後、勤務と育児の両立がむずかしいとして退社する人も多い、と聞いています。
  そのような状況で、優秀な社員を会社は引き止めておくため、勤務短縮は重要な手段です。
 当社の先進的な社員福利厚生制度は、社員のやる気を出させ、永く勤めてもらうための
 最高の施策でしょう。

【参考記事】「育児・介護休業法」



 (1)就業規則
 
 1998年に制定された労働者保護法により、10人以上の社員がいる会社は、タイ語の就業規則を制定、告示、さらに7日以内に労働局に届け出なければならない。
また、社員が
10人以上の会社は、上記@と共に、会社保障基金に加入しなければならない。
 
 就業規則は以下の内容を含んでいることが義務付けられている。
 
 1.労働日、通常の労働時間、及び休憩時間

 ・1日8時間以内、週
48時間以内。休憩時間は1日1時間以上。
 
 2.休日、及び休日に関する規則

 ・ 有給で週休1日。
 
 3.時間外労働、及び休日勤務に関する規則

 ・時間外労働の場合は労働者の承諾を得なくてはならない。 週
36時間以上は禁止。
 ・年間
13日の祝祭日は休日と、休日と重なる出勤には代休を与える。
 
 
 4.賃金、時間外賃金、休日賃金に関する規則、支払日、支払い場所

 ・賃金は少なくとも
月に1度与える。時間外労働は、時間当たり賃金 の1.5〜3倍を与える。
 ・休日労働は、休日が有給の場合、時間当たり賃金の1倍以上、無給の場合2倍以上を与える。
 
 5.休暇に関する規則

 ・1年間の勤続者は年間6日以上の年次有給休暇の権利あり。労使合意により決定。
 ・その他、病気休暇は年間最高
30日まで有給。兵役休暇は60日まで有給。
 ・産休は休日を含め
90日の休暇、少なくとも45日は有給。
 
 6.規律及び罰則
 
 7.苦情申し立て
 
 8.解雇、解雇補償金及び特別補償金

 ・使用者の都合で解雇する場合、解雇補償金を払えば不当解雇にはならない。
 ・120日以上1年未満勤務した者には、少なくとも最終給与の30日分。
 ・1年以上3年未満は
90日分など。
  ただし、自主 退職、規則違反、3日以上の職場放棄などがあった場合、さらに
180日以内の試用期間中の労働者。
  解雇の場合、退職金は支払う必要はない。
 
 「タイにおける労務関係マニュアル」および「タイ日系企業の労働裁判判例集」も販売中。
  定価
300バーツ。総務担当者、会社全般を管理する人の必読書。
 
 (2)社会保険

 @ 社会保険とは

 社会保険とは、会社、団体に属する人々の生活を保障するよう、病気、出産、死亡、身体障害、高齢、失業 などの問題が生じた際の負担を担い、治療の機会、収入を確保するものである。

 タイでは、
1990年の社会 保険法と、社会保険法第二版(1995年3月30日から施行開始)に基づいて実施されている。従業員数が10人以上の会社・団体に属する15歳以上60歳以下の従業員が対象で、雇用主、従業員とも 加入しなければならない。

 毎月社会保険基金に払い込む1人あたりの保険料は、従業員が毎月受け取る賃金の2%とする。最低賃金は 月
1,650バーツで保険料は2%の33バーツ、最高賃金はヵ月15,000バーツで、保険料は2%の 300バーツと制定する。また、政府側は従業員の給料から控除される保険料と同額を拠出することとする。

 雇用主は、従業員の給料から保険料を毎月控除し、従業員全員の保険料と同額を社会保険事務局に支払わな くてはならない。加入後5日で社会保険証、3ヵ月後に診察証を受け取る。

 
 A 加入申請に必要な書類

雇用主

従業員

  • 法人登録証明書のコピー(事業内容についての説明を添えること)
    又は事業登録書の写しと事業主の戸籍謄本(事業主が1人の場合)

  • 付加価値税(ポーポー20)納税申告書のコピー
  • 事業開始許可証(ローゴー4)のコピー
  • 会社、事業所の所在地を示す地図
  • 権利譲渡証(代理人が事業を遂行している場合)
  • 身分証明書(市民証)、又はその他身分を証明できるもの。
  • 被保険者加入申請書(ソーポーソー1−03)パスポートのコピー、
    又は外国人証明書のコピー(被保険者が外国人の場合)。

  • 従業員が既に加入申請をしている場合、雇用主は、被保険者雇用証明書(ソーポーソー6−08)を次の月の15日までに提出すること。
 

 B 保障の内容

 1.業務と関係しない事故、又は病気の場合にはその治療費と、失業給付を支給する。
    (業務上の事故、病気の場合は、労災基金により補償される)。

 2.出産時には、出産費用と出産休暇のための補助金を支給する。

 3.身体に障害が生じた場合には、治療費と失業給付を支給する。

 4.死亡した場合には、葬式費用と補助金を支給する。

 5.児童手当として、6歳以下の子供に、1人1ヵ月
150バーツ(1回2人まで)の補助金を支給する。   

 6.高齢者への手当として、養老年金、離職手当を支給する。

 
掲示板より

Q 有給休暇について      2003.12/19

 有給休暇に関して質問なのですが 1年以上勤務した者に6日以上の有給休暇を与えなければならない ことは分かるのですが パートタイムの従業員 (私のところの場合、午前中4時間だけ働いている掃除のメバーン) も 1年以上働いたら有給休暇を与えなければならないのでしょうか?

A お答えします

 
メーバーン(メイド)やパートタイムの従業員は、タイの法律の労働基準法の適用外です。同法によって強制されることはありません。 しかし、法律とは別に、従業員への思いやりとして、1年に6日の有給休暇を与える ことをお勧めします。                  

Q 労働者保護法         2003.8/2 

 タイの労働基準法について質問ですが、1年以上勤務した従業員には6日以上の有給休暇を設定しなければならないのでしょうか?

 それと、病気の場合、年間30日まで有給で認められるらしいですが、入社したばかりの従業員にもその権利はあるのでしょうか?30日という数字はこちらで10日などというように設定することはできるのでしょうか。

A お答えします

 ご指摘 の通り、1年以上の勤務者に対し、6日以上の有給休暇を与えなければなりません。又、私傷病の場合、年間30日の有給休暇を与えなけれ ばなりません。よって、10日間の設定は法に違反するのでできません。                                         

Q 労働の代休について        2002.8/8

 年間13日の祝日ですが、この日に仕事をさせた場合は日当と同額の休日手当てを支払わなければ ならないのは知っているのですが、更に他の日に休みを与えなければならないと聞いたのですが 本当でしょうか?休日手当てを払っているのに更に休みまで与えなければならないなんて理不尽 な・・・(笑)

A お答えします

 祝祭日の労働について休日手当を支払えば、他の日に休みを与える義務はありません。
 
  なお、労働条件について、法律の規定を遵守することも大切ですが、同時に、会社内であらかじめ就業規則を 規定しておくことをお勧めします。

Q 日系企業における日本人とタイ人の割合について      2002.8/8

 労働許可や査証の取得・更新の際に、所属会社 における日本人とタイ人の比率が問題になり、以前 は1:7で、現在は1:4でなければならないそうですが、これは何と言う法律に基づいているので しょうか。関係しそうな法律は一通り目を通しましたが、それらしい条文はありませんでした。運用上の内規のようなもの、或いは日本で言う行政指導のようなものでしょうか?

A お答えします

  労働許可の基準となる日本人とタイ人の比率については、1対4、1対7と色々言われてきましたが、その基準は曖昧でした。過去のことについて、色々お答えしても現実に 関係ないことですので、最も新しい情報をお知らせします。

 2002年7月22日付、労働局長名で「外国人の労働許可についての基本と 条件について」というタイトルで告示していますが、内容は以下の通りです。

1. 200万バーツの資本金で1人の外国人。200万バーツごとに1人認め、最高10人まで。
2.会社設立後、3年間で合計500万バーツ以上の所得税の納税に対し1人認める。
3.輸出により代金が300万バーツ以上につき1人認める(3人まで)。
4.タイ人職員雇用、50人当り1人(最高5人まで)。
5.外国人の個人納税(1人当り)が年間18,000バーツ以上であること。

 少し説明しますと、以前は日本人とタイ人の比率の基準を用いておりましたが、タイ人の水増し行為が多く行われていましたので、この基準を現在のように改めたようです 。                                                            

Q プロビデント・ファンドについて         2002.7

 プロビデントファンドについて質問させて下さい。労働者保護法第30条1項に「労働者10人以上の事業所の労働者を労働者福祉基金の加入者とする」 とありますが、これは10人以上なら義務付けられていることでしょうか?

 又、第2項に 「第一項の規定は、企業年金基金に関する法律に基づく企業 年金基金を有している使用者、または、省令で定める規則お よび手続に従い、労働者が離職もしくは死亡した場合の厚生制度を有している使用者には適用しない」 とありますが、労働者保護法で別途規定されている退職金制度は、(つまり退職金制度が強制されている以上、プロビデントファンドは常に任意になるのでしょうか?)労働者福祉基金とプロビデントファンドは別物ですか?

A お答えします

  第2項は労働者保護法「以下法律と略す」の成立に伴う経過処置条項なのです。つまり、法律の成立以前に、既に実施されている厚生制度については承知(承認)し、適用からはずしているのです。

 (但し、法律より給付内容を上回ることが条件です)よって、既にプロビデント・ファンドの制度が存在している企業は、労働者福祉基金の加入義務はありません。
 
  因みに、プロビデント・ファンドの厚生制度を導入している企業は法律成立以前に創立 した企業で、その後に創立した企業はすべて第1項の制度になっています 。
                                                                 

Q スタッフ保険                   2002.6   

 スタッフの保険の件で保険会社と契約し、会社が半分は負担すると聞いたのですが、詳しい内容を教えて頂きたいのですが、又、契約する会社も何処がいいでしょうか。

A お答えします

  保険についてですが、その保険の内容によって異なります。つまり、傷害保険なのか、 生命保険なのかとか、その保険内容(給付)によって、掛け金が異なってきます。日本と同様、政府は社会保険として実施しています。民間、政府のそれぞれの保険にいて、その内容を十分に検討して加入することをお勧めします。                                       

Q 病気休暇                     2003.5/31

 タイの有給休暇などで聞いた話ですが、タイは法律で7日/1年、病気等の場合は、30日/1年の範囲であれば給料をカットできないと言うことですが、実際タイの日本企業はどのような休日体制にしているのでしょうか。

A お答えします

  タイの労働法では、有給休暇の制度がありません。しかし、病気休暇は1年に30日まで有給で認められています。しかし、実際に日本の企業は、就業規則の中に年7日を有給休暇として規定しているところが多くあります。