16.タイ人職員の採用と日本人の就職状況

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(1)タイ人職員採用事情

 タイ人職員採用の方法はいくつかある。まずオーソドックスなやり方は、新聞に広告を出すことだ。英字紙 Nationに出せば4050通くらいは応募が来る。また、日系の人材紹介会社に登録するのも1つの手だ。

 現在タイにはこうした会社が
10社以上ある。手数料は初任給の2ヵ月分くらいが相場だ。
また、タイ人職員に任せると縁故採用が多くなる。この場合、呼んだ人物が辞める時一緒に辞めがちなのが 難点だ。

 

 @ 採用の際注意すべき点

 ・学歴詐称。立派過ぎる履歴書は特に注意。

 ・以前の会社での給料が何故その額なのかチェック。
  ジョブホッピングで甘やかされてアップしただけで実力がない場合もある。
  試用期間で見極めるべき。

 

 A 労働市場の実情

  現在、多くの企業が求めている人材は以下の通りである。

  (@)日本語が出来る人材 日本語検定2級なら仕事で使えるレベル。
     このレベルで月給は2万バーツ。
     1級なら就職せず通訳、翻訳を自分でやった方が稼ぎになるレベルだ。

  (A)総務、人事担当者などオフィスサポート関係
     新たに進出してきた企業では最初に必要になる人材だ。

  (B)通訳 工場で常時10人雇っているようなところもある。

  (C)エンジニア 特化した教育は、タイではあまり行われていないので結局研修が重要。
     コアを理解している人を探すしかない。

 

  逆にタイ人が就職する際希望する職種は以下の通りだ。

  (@)マーケティング もっともこれは机上の企画のみを指していてセールスは嫌がる。

  (A)コーディネイター

  (B)会計 優秀な人は大学で青田買いされている。
     実務経験があっても日々の伝票打ち込みだけで理論的裏付けがない場合が多い。
     英語が出来ない人が多いのも難点。最近公のアカウント・テストを課す会社も増えている。

 

 B タイ人職員採用の際、気をつけること

・労動者保護法が厳しく、日本以上に労働者側にたっている。 兵役、マタニティなどの休みの権利が多い。

特に会計関係の不正行為。
 定期的に人を入れ替えようとしても、タイでは友好的に引継ぎを行うことがまずなく、1からやり直す事になる。結局監視を行うことが重要になる。
 通訳に時々確認するなど、見ているポーズをたまに見せることが重要。

・タイ人は自分より優秀な人を職場におきたがらない。かといって非常に優秀な人をトップに置くと、その人が社長代理になり寝首をかかれかねない。 「そこそこ優秀」が落としどころか。

 
(2)タイでの日本人の就職状況
 

 @ 会社の見つけ方

 現地で入手できるフリー・コピー紙、新聞などにたくさんの人材募集広告が出ている。これに自分で連絡 を取ってみるのがオーソドックスな手だ。また人材紹介会社もたくさんあるので、登録して会社を探すことも可能だ。
 
 最近ではウェブサイト上で人材紹介を仲介する会社も出てきている。登録して日本にいながら情報収集するのも良い。

 ワークパーミットを得るためには、小さなオフィス事務所でなく、工場を持つ会社を狙おう。
BOIで大きな枠を与えられていることが多い。

 

 A 会社の種類  大きく分けて3種類挙げられる。

 
(@) 日系企業 これには親会社が日本にある場合と現地のみの会社の2種類がある。

 日本に親会社がある会社の方が労働条件が良いことは言うまでもない。
この場合、身分が親会社採用なのか現地採用なのか分かれ、親会社採用の方が待遇は良いが、その採用に時間がかかりがち。

 日本に親会社がある会社は、工場やオフィスの仕事がメインであるのに対し、現地のみの日本企業の場合、旅行業、不動産関係などのサービス業が多い。
 
(A) タイの会社
タイの会社もだんだん力がついてきて、日本市場向けに日本人を採用するようになってきた。
 
(B) 欧米企業 世界的ホテルチェーンなどで日本人を募集することもある。
 

 B 就職時必要とされる能力

 今日の日本での就職状況が悪いのを受け、タイで就職しようとする人が増えているが、日本での就職とは異なる点があるため留意が必要だ。

 

(@)語学能力

 タイ語が出来るかどうかが基本的用件の1つ。このタイ語能力もポーホック(小学6年生と同じ程度の能力)を取得していれば言うことないが、それ以下であったら当地にて最低3ヵ月タイ語の学校に通うことをお勧めする。
 最も英語を社内の公用語にする会社も最近は多く、片言のタイ語より流暢な英語を求める傾向が強まっている。

 

(A)実務経験
 
 
タイに進出している日系企業でも、現地採用者のための研修があるところは極めて少ない。
日本での勤務経験のない人がタイでビジネスセンス、マナーなどを身に付けることは難しい。
2〜3年日本で働いてから来タイすることを勧める。

 

(B)専門知識

 タイでは、就職したその日より即戦力として働かねばならない。何の専門知識や特技もなく即戦力になれる可能性は低い。就職は困難である。

 
また管理職になることを求められるため、タイ人の信頼を得られる人間であることも重要だ。
押さえつけるような闘争型でなく、かといって甘やかさず、しかもタイ人のペースを理解できる人。
タイ人をうまく管理できる能力が必要とされる。

 

 C 待遇

 現地採用の日本人スタッフの給料はローカル・スタッフの2〜3倍というのが相場だ。
これは、2〜3倍の仕事をしなくてはならないという意味である。ポジションも彼らより高い地位を与えられる。

 初任給は最低でも2万バーツからで、平均2.5〜3万バーツ程度から始まる。
これ以上は特別の能力や経験がある場合が多い。現地では良くても5万バーツ以下の給料と考えた方がよいだろう。

 

 D 住居と生活

 給料の中から2025%を住居費にあて、残りをその他の生活費に当てるのが標準的。
給料
2.5万バーツの場合、5,000バーツ程度の住居に住むことになる。
 ワンルームタイプのアパートであれば何とか見つかる額である。

 

 E 準備

 (@)タイ語の勉強

 会話は勿論のこと、文字まで学んで来タイすると就職活動に有利。採用する側は、必ずタイ語の能力を問い、その答えが採用、不採用の分岐点となる。
可能なら、タイに来て3ヵ月ほどタイ語学校に通いながら就職活動をすることを勧める。
 そのために4〜5ヵ月分の生活費を貯めてから来ること。

 (A)自己の能力の分析

 何れも国であっても同じことだが、就職活動の際、自己の能力を冷静に分析することが重要だ。
自分には何が出来るのか、どんな仕事をしたいのか、このことをきちんと考えておくこと。
当地に来て「何でもよいから仕事を」と言っても相手にはされない。

 
掲示板より

Q 不動産会社への就職について          2004.5.6

  はじめまして、お聞きしたいのですが。タイで不動産会社への就職を考えた場合どのようなスキルを必要とするでしょうか?
また、求人情報を探す際は特別な探し方などはあるのでしょうか?仕事につながらないような質問ですみません。


A
 お答えします

  まず、何と云ってもタイ語です。しかし、これは絶対ではありません。タイに滞在して、努力すればタイ語は身についてくるものです。
   
  大切なのは、やる気とサービス業に対するセンスでしょう。当地の無料誌に求人欄があり、募集は多いですので、その人の能力次第で仕事を得ることができます。

Q バンコクの仕事について      2002.10月

  私は現在カナダに仕事在住(23年)いたしておりますが、将来アジアの中心と言えるバンコクに住みアジア諸国を巡るのが夢ですが、バンコ クで英語とか日本語のアルバイト的に教えることは法律上も含めて可能でしょうか? リタイヤビザ(55歳)で2、3年後に行ければと思っております。

A お答えします 

 バンコクで日本語をアルバイト的に教えることは全く問題ありません。この国は、教育についてはタイでは奨励していますので、特別の制限はありません。