国連常任理事国

麻生外相の外交演説 2006年1月20日 国会施政方針より

我が国が国連安全保障理事会の常任理事国となる道は険しい。安保理改革が第2段階へ入った今年は、ドイツ、インド、ブラジルとの信頼関係を維持しつつ、米国との協議を進め、近隣諸国との対話に注力する。


日本が国連の常任理事国になれるかどうかという60年に1度の大事件(事業)です。   
この大事件について、この時期に自分が存在し、関わりを持てたことを嬉しく思います。
日本の国連常任理事国入りは、日本人としての永年の悲願です。           
2006-01-21      

この問題に、微力ながら探求してみたい。まずは、この分野で、一番わかりやすい説明書は、北岡伸一国連次席大使の論文でしょう。この論文を読めば、アウトラインはつかめます。
                  

  http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/iken/05/0501.html  《外務省ホームページ抜粋》                         

教科書(中3)に見る国連の紹介

「新しい社会公民」(中3)(東京書籍)の中に書かれている国連の紹介と国連憲章を次の通り紹介します。

■国際連合のしくみ

第一次世界大戦が起こったことを反省して、国際連盟が生まれました。しかし、国際連盟は,第二次世界大戦が起こるのを防ぐことはできませんでした。ふたたび戦争を起こさないように,1945年に国際連合が生まれました。このため国際連合(国連)は,世界の平和を維持することを,最大の目的としています。

現在,国連には191か国が加盟しています。本部はニュ−ヨークに置かれ総会,安全保障理事会,経済社会理事会などのおもな機関と,ユネスコなどのいろいろな専門機開からなっています。

国連総会はすべての加盟国からなり,年1回定期的に開かれ世界のさまざまな問題を話し合い,決議を出すことができます。そのはかに,軍縮などの特別な問題を話し合う,特別総会が開かれることもあります。安全保障理事会(安保理)は,アメリカ・ロシア連邦,イギリス,フランス,中国の5常任理事国と,総会で選出された任期2年の10か国の非常任理事国とで構成されています。

安保理は,世界の平和と安全を維持することを目的としており,この点で総会よりもはるかに強い権限をもっています。例えば,加盟国は総会決議に従う義務はありませんが,安保理の決定には従う義務があります。安保理では,常任理事国のうち1国でも反対すると決定できないことになっており,これを拒否権といいます。

■国際連合のはたらき

国際連合の第一のはたらきは,世界の平和と安全を維持することです。侵略などの平和をおびやかす行動に対しては,安保理が決定して,経済封鎖や軍事的措置をふくむ制裁を加えることができます。国除連合は,紛争地域に平和維持軍(PKF)を派遣して,停戦の監視などの平和維持活動(PKO)を行っています。地域紛争が多くなったために,この活動はますます重要になっています。

第二のはたらきは,経済,社会,文化,環境,人権などの分野で,世界の人々の暮らしを向上させる努力を,専門機関などを通じて行っていることです。例えば,ユニセフ(国連児童基金)は,飢えなどで苦しんでいる子どもたちを助けるために広く活動しています。


■国際連合憲章(一部)

われら連合国の人民は,われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い,基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し,正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し,一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること並びに,このために,寛容を実行し,且つ,善良な隣人として互に平和に生活し,国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ,共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し,すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して,これらの目的を達成するために,われらの努力を結集することに決定した。

よって,われらの各自の政府は,サン・フランシスコ市に会合し,全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて,この国際連合憲章に同意したので,ここに国際連合という国際機構を設ける。

第1章 目的及び原則

第1条〔目的〕 
国際連合の目的は,次のとおりである。

T国際の平和及び安全を維持すること。そのために,平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。

U人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。

V経済的,社会的,文化的又は人道的性質を有する国際間題を解決することについて、並びに人種,性,言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて,国際協力を達成すること。

Wこれらの共通の目的の達成に当って諸国の行動を調和するための中心となること。

第2条〔原則〕 この機構及びその加盟国は,第一条に掲げる目的を達成するに当っては,次の原則に従って行動しなければならない。

Tこの機構は,そのすべての加盟国の主権平等の原則に基姦をおいている。

Uすべての加盟国は,加盟国の地位から生ずる権利笈び利益を加盟国のすべてに保障するために,この憲章に従って負っている義務を誠実に理工しなければならない。

Vすべての加盟国は,その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危くしないように解決しなければならない。

Wすべての加盟国は,その国際関係において,武力による威嚇又は武力の行使を,いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも,また,国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

Xすべての加盟国は,国際連合がこの憲章に従ってとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え,且つ,国際連合の防止行動又は強制行動の対象となつているいかなる国に対しても援助の供与を慎まなければならない。