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2011.8.6
■本の紹介(145)

人事部は見ている

日本経済新聞出版社

定価 850円+税

楠木 新 著

2011年6月発行

 会社の人事担当として、社内の人事関係を描いています。しかし、本音に迫る内容に欠けていることは仕方ないでしょう。なぜなら、著者は現在もその職にある人だからです。

 人事の本質は、公平な人事など建前だけであって、実際はありえない。又、異動の理由は後で付ける(※注)、というこの2点です。著者はこのことが分かっていないのです。だから、どんな公平な人事を行っても7割は不満を持つのです。
(※注:異動の本当の理由を云うと、そのことが大問題となるので、適当な理由を考えて付けること)

  人事に不満を持たせないためには、たとえ不公平な人事であっても具体的に宣言することによってガス抜きを計る、これが透明な人事と云うものです。もう一つついでに書くと、人事出身者は出世することが多いが、そんな会社ほど危ない会社と思った方が良い。営業職のような汗を流す人が出世しないで、オフィスにいて汗を流さない人が出世する会社なんかとんでもない。                    (2011.8.4 K記)